The Man Who Fell From The Wrong Side Of The Sky:最新 5 日分

2018/11/11(Sun)

[音楽] Morphine/Come Along

毎年11月11日はベースの日だそうだが4弦だけがベースじゃねぇよと思うのだけど(とはいえ自分は4弦使いだけどね)、5弦の話とか チャップマンスティックみたいな弦の本数が増える話してもつまらないしここはひとつ2弦ベースの話でもするか、よって1月1日もベースの日ということでOK?

90年代の米国オルタナティブバンドで現在もっとも忘れさられ過小評価されてるバンドのひとつ、 Morphineの話をしよう。

ベーシストのマーク(・サンドマン)がボーカルを務める3ピースバンドだけどなんとギターがいない、代わりにテナーサックスという異色のバンド構成だ。 この手のオルタナティブ系バンドにサキソフォン吹きが参加してたというと The Stoogesくらいのものでそれもアルバム「 Fun House」の数曲でスティーブ・マッケイが吹いてたくらいで、パーマネントというのは珍しい。

そしてギターの存在しないバンドのバッキングを支えるのは、他に類をみないマークの2弦ベースによるボトルネック奏法だ。 まずベースの1弦と4弦をはずし、本来であれば2弦と3弦を張るべきところに3弦と4弦用の弦を張る、そして更に上から「A-E」ではなく「A-D」と低い方の弦だけ全音下げチューニングする。

ベース弾きの感覚では4弦だけ全音下げるというと「ドロップD」チューニングといって、5弦ベースを使わずに「Low-D」音を出したい場合にやる手段なのだけど、これは全くの別物。 スライドギター経験者ならすぐ判るだろうけど、ギターの「オープンD」チューニングをベースに適用したが正しい。

ベースの場合はさておき、ギターでオープンチューニングを採用するメリットは主に

あたりなんだけど、逆にデメリットも多くて

なので才能が無い人間がオープンチューニングを使とこれらのデメリットから抜け出せずに決まりきったI-IV-Vの3コードのみのブルース進行で閉じてしまう *1。しかしMorphineの音楽はブルースやジャズからの影響は色濃いけれどもそんな枠にはとどまっていない。

オープンチューニングの壁を超えたギタリストというと自分の中ではジミー・ペイジが思い浮かぶけれど、Morphineの音楽もLed Zeppelinの曲作りとよく似ていると思う。

1960年代にアンプリファイドなエレクトリックギターサウンドが誕生してからというものの、どんどんオーバードライブ、ディストーション、ファズと過激に音を歪ませるようになっていった。 そして音が歪むほどに和音はI-V以外の音を混ぜると汚い響きになってしまうので、これもまた大きく曲作りへの制約となっていった。

ペイジはそれを逆手にとり、少ない弦数でかつ印象に残る短いフレーズの繰り返しつまり「ギターリフ」を多用することでこれらの制約を感じさせない曲作りをした。 例えばブルース・ゴスペルの古典である Blind Willie Johnson/Jesus Make Up My Dying Bed もペイジの手にかかるとこうなる。

ペイジのリフを裏から支えるのがジョン(・ポール・ジョーンズ)のメロディックなベースライン、そしてMorphineのサウンドも同じようにベースラインというよりもギターリフに近いフレーズをマークが奏で、それをデイナ(・コーリー)のメロディックなテナーサックスが支えている。

しかし作曲法は似ていても最終的なサウンドは全く違う、ベースにテナーサックスそしてマークのイケボなバリトンボイスのボーカルと低音楽器しかない(彼らは自身の音楽を「Low Rock」と呼んでいた)ことで「モルヒネ」のバンド名通りにダウナーな陶酔感と多幸感のあるサウンドだ。

自分は自身の精神の調子の良し悪しは耳がどういう音楽を拒否するかで判断できるんだけど、Morphineの音楽はどんだけ地の底を這いずり回るような精神状態であっても、スッと聴くことのできる音楽のひとつでありあまりそういう音楽は世の中に多くはない。

そんな陶酔感のある音楽を作る男の姓が「サンドマン」すなわち 眠りをもたらす妖精の名であるというのが笑ってしまうんだけど、芸名ではなく本名らしい。 残念なことに彼は1999年にツアー先のイタリアのステージ上で激しい心臓発作を起こし、46歳の若さで帰らぬ人となりバンドもそのまま解散してしまった。

自分がMorphineの曲で一番好きなのはライブ盤「 Detroit Bootleg」の1曲目のCome Alongかな。

マークの死後10年そしてバンド結成20年を記念して発売された未発表曲集にスタジオ録音バージョンが収録されている。

あとはシングルカットされたEleven O'Clockもすき、この曲とかわりとまんまLed Zeppelinだよなこれ。

そういえばこの人の書く歌詞はとても訳すのが難しい、とても ビートのポエトリーリーディング的なのだけれどそれもそのはずで ケルアックに捧げる曲を書いてたりするのでそりゃ一筋縄ではいかない。

*1:いや別にライ・クーダーから盗んだテクだけで半世紀以上やってるキース・リチャーズの話はしてないよたぶん。

2018/11/4(Sun)

[音楽] XTC/The Ballad Of Peter Pumpkinhead 他

世の中はハロウィンで大騒ぎだったようけど(もはや渋谷は自分が学生時代を過ごした街の面影は無いな)、この時期に思い出して聴きたくなるのはやっぱりこの曲かな。

はじめてこの曲を聴いたのも渋谷のどこかかの音楽スタジオかライブハウス、友達のXTCのコピバンの演奏だったかな。

この曲はアンディ(・パートリッジ)がハロウィンからしばらくして裏庭で朽ち果てたジャックオランタンを「このカボチャ頭はいったいどんな罪を犯したらこのような哀れな姿になるのだろう」との着想からこの曲の歌詞を書いたという。

カボチャ頭のピーターが街にやってきた
智恵を広め、富を分け与え
飢えたものには食い扶持を、貧しきものには住まいを与え

カボチャ頭のピーターについて皆が熱く語ろうとすると知能も語彙力も共に低下
【今期覇権】教会【大正義】なんてとっくにオワコン
ショッピングモールに彼が現れてひとつお話をはじめだけで
人垣ったら屋根に届こうってもんだった
カボチャ頭のピーターのお話にはいつだって嘘偽りってものが無かった

でもそんな彼の正しい行いを気にいらず、多くがアンチに回ってしまったんだ
誰だって自分の足元にひざまずく人間を失いたくはないだろう?
万歳!カボチャのピーター
でも誰がカボチャ頭のピーター自身の幸せを祈り守れるのだろう?
どうしてこうなった!

カボチャ頭のピーターは恥辱を受けた
それは彼の名声を失墜させたい政府の仕業
【悲報】カボチャ頭の下半身、暴走する【淫夢入り】的なゴシップ記事
ピーターは多くは語らなかったれど
どんな形の愛だってそれは正しいはずと

カボチャ頭のピーターは立派だった
薪と板切れで作った十字架に釘打たれても
カボチャ頭のニヤニヤ笑いを忘れることなく死ぬ様子はテレビで生中継された
その晒され嘲笑される姿は君とよく似てるといえるし
もっと悲惨なことに今の僕ともそっくりなんだ、まワ晒

万歳!カボチャのピーター
でも誰がカボチャ頭のピーター自身の幸せを祈り守れるのだろう?
泣けるんだよなぁ…

曲のPVはさらに過激で「ケネディ暗殺事件はバチカンの陰謀」と捉えられかねないスキャンダラスなもので一部の表現に検閲が入ったりもした。 これは前々作のアルバム *1「Skylarking」で没にした「Dear God」という無神論を告白する曲がシングルB面にもかかわらず局地的なヒットしたことで、レコード会社がスキャンダラスな売り方を推したんだろうと思う。 なんせXTCのレコードは売れないしプロモーションのためのツアーもしないからのヤケクソ商法といえる、そりゃミュージシャン辞めたくもなるわなアンディ。

ちなみに曲のシングルは中世ヨーロッパの銅版画風に描かれた業火の中で焼かれる聖人をジャケットにあしらっていた。

Ballad of Peter Pumpkinhead.jpg
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収録されたアルバム「 Nonsuch」の最後を飾るこちらも名曲「Books Are Burning」の歌詞のモチーフ、ハイネの警句「本を焼く者は、やがて人間を焼くようになる」と対であることを強調している。

ステージ恐怖症のアンディが原因でツアーを止めてしまったこの時期のXTCの珍しいライブ映像やな。

本が焼かれる、それも大通りで
自分もそれをみた、炎が文字という文字を舐め尽くした
書が燃えている、空気が張り詰めている
ご存知の通り、本を焼く人間が次に焼くのは人間自身だ

僕はひとたび印刷された言葉は何であっても許されるべきだと思う
たとえそれはどんなひどい内容の文章であったとしても
書物は過去の死者から現在の生者への智恵の継承なんだ
あなたの心と脳の栄養となる食料倉庫を開ける鍵なんだ

この曲の歌詞も素晴らしい、近頃はなかなか本を読み切れず老いを感じるんだけどね。

あと今でも入手可能か判らないけど(たぶん中古ならすぐ見つかると思う)この曲のデモトラックが収められたその名の通り「 Demo Tracks」 を聴くと、曲はすでにアンディの手によって9割完成してるにもかかわらずコリン(・モールディング)のベースが無いことで非常に冴えない印象がある。 バンドサウンドの不思議ってやつだな。

そういえば曲中で鐘が高らかに鳴り響く曲というと、今にして思うと2000年代の大ヒット曲「Coldplay/Viva La Vida」との共通性を感じるわね。

この曲の歌詞には以下の一節がある(いつものように意訳多め)

革命勢力は今かと待ちそびれている

権力者である自分を断頭台に送り
その首を銀の盆に載せここに届けさせること

こんな運命に糸を操られる人形のような
哀れな王に誰が成りたいというのか?

それは自分の番がくるまで判らないのか

同名アルバムのジャケはドラクロワ「 民衆を導く自由の女神」であり、フランス7月革命において断頭台の露と消えた数々の権力者たちを思い出すけれど、銀の盆に置かれた首というのはヴェチェッリオやカラヴァッジオが題材とした「 洗礼者ヨハネの首を持つサロメ」からの連想でもある。

ヘロディアの娘(サロメ)は悪女というけれども、それは人の本質であって「好きなものを求めよ」と言われれば誰もが「洗礼者ヨハネあるいはカボチャ頭のピーターの斬首」を願うのかもしれない。

この曲のPV、なかなか楽しい盆踊りを披露するクリス(・マーチン)のフランス国民衛兵風の衣装だけど、わき腹には磔刑に処せられた十字架のキリストの死を確かめるべく槍で突いた傷を擬した印があったりもする。 また歌詞はめまぐるしく時代と場面がいれかわり、かつて自分のものだった世界を懐かしむ権力者(海を割ったモーゼ、ソドムを追われたロト、ローマ軍に滅ぼされエルサレムを失ったユダヤ人、バチカンの法王に破門されたローマ皇帝、断頭台のルイ16世、セントヘレナのナポレオン)は誰のことなのか判然としなくなる。

この曲の歌詞、何かの普遍性を異なる時代の事件の羅列でつづるテクニックは、The Rolling Stones/Sympathy For The Devil(悪魔を憐れむ歌)を思わせるところがあるよね。

自己紹介しましょう
私は裕福で品も備えています
しかし私は長年の間
沢山の人たちの人生そして信念を虫ケラのように踏み潰してきました

私はそこにいました
イエス・キリストが十字架にかけられ「わが神、わが神、どうして私を見捨てられたのですか」と叫んだときも
ピラトがイエスの無実を知りつつも民衆に圧され死刑判決を下すも、手を洗うパフォーマンスで自分に責は無いと主張したときも

お会いできて光栄です
私の名前を覚えてらっしゃいますか?
私が誰かわからない?
それこそがこの名前当てゲームの本質なんです

私はそこにいました
セントペテルブルグでロシア革命がはじまり、皇帝ニコライ2世と重臣らがが裁判もなく地下室で処刑されようというときも
最後に殺されようとするロマノフ家のアナスタシア妃が虚しく悲鳴を上げたときも

ナチス・ドイツが電撃的にフランスへ侵攻したときも
死体が膨張し破裂してあたり一面に腐臭をふりまいたときも
そのときは元帥の姿を借りて、戦車団を指揮していました

世界中のあちこちで支配者の王族が
自分らが作り出した偽りの神のため
百年戦争を戦っているときも
私はゲラゲラ笑いながら眺めてました

誰がケネディを殺したって(笑)
つい叫んじまったよ、そうさ!アンタとオレのせいさ
ボンベイへ向かうピッピーの吟遊詩人かぶれどもだってオレが罠に仕掛けて死なせたのさ

警察官はみんな犯罪者
すべての罪人こそ聖人
頭が尻尾、尻尾が頭

もう一度自己紹介したほうがいいですか?
なんなら「悪魔」って呼んくれてもいいのよ?なんせ私は自制が効きますからね

オレに会うときは
礼儀と
共感と
品性ってやつ
お前が人生で学んだ全てのマナーを駆使して
オレに接しないなら
お前の人生ってやつを
ぶ ち 壊 し て や る

オレの名前がわからないのか?
もう一度教えて欲しいか?
なら罰を受けろ

ひざまずけ

ひざまずけ

一般的には「悪魔」が名前と思われてるけど「人間」が正解だよね。

それにしてもクリスとモンティ・パイソンのエリック(・アイドル)が二人で十字架に磔になる競演がみたいですね、ロンドンオリンピックもう一回やろうぜ。

そういえばケネディ暗殺事件をモチーフにした曲というとNew Order/1963も思い出す。

なぜか最近このPVのアーサーベイカーによるリミックスの方が有名なんだけど、 オリジナルの方が好き。

この曲の歌詞もなかなかにおもしろい、さらっと一読しただけだと夫婦関係の終わりで逆上して妻を殺した男の話としか読み取れず、あちらこちらに存在する和訳もそう解釈してるのが多いんだけど

あたりを知ってると登場人物の男女がこれも目まぐるしく入れ替わってることに気づく。

それは1963年の1月
ジョニーは私へプレゼントを持って帰ってきた
君の事を愛しているしそれに誕生日だからと

彼はとても素敵でとても優しい人だった
私にとってはそう思えた、その瞬間までは
私は彼のことを思っていたし、彼も私にとって良かれと思うことを考えていた

目を閉じて、と彼はいった
きっと僕のプレゼントには驚くよと
でもおかしなことに彼は泣いていた
私を傷つけるつもりじゃないんだと

おお神様、ジョニー、私に銃を向けないで
私たちの暮らし、たらればはいくらでもあったけれども
だけどお願い、ジョニー、「それ」を私にはしないで
いったいいくら払えば私は命乞いできるの?
一生のお願いだから私の言うことを聞いて

ルビーは「ジャクリーン大統領夫人に同情する内縁の妻の悲しみに義憤に駆られオズワルドを撃った」と犯行動機を語った。 そしてオズワルドが真犯人かは諸説あるけれど、ケネディ暗殺犯もまた「モンローの死でケネディを疑って悲しむ妻のため、彼女の誕生日に買ってきた銃でケネディを暗殺することをプレゼントしようとした」のかもしれないというのがこの歌詞だ。 (2番以降は人物がいれかわり、今度はケネディとジャクリーンの双方の浮気遍歴とモンローの死の話と読み取れる)。

優しいと評されるあってもどこか狂っていて本当か嘘かわからない噂を信じて悲しみ人を憎んだり、またその優しさが義憤を生んで時には誰かを殺してしまうというのが、歌詞を書いたバーニー(バーナード・サムナー)の考えなのかもしれない。

そしてそれは1963年から半世紀が過ぎインターネットとSNSが普及したことによって、カボチャ頭を斬首し銀の盆に盛りつけたいと願うどこか狂った人たち(それも大勢)が可視化されたことで信憑性が増したように思える。

それは渋谷の馬鹿騒ぎを見て「チッ、ウェーイどもリア充かよ爆発しろ」と舌打ちする自分もかもしれない、なので僕はSNSの類はしばらく前に卒業することにした。

別に無くても一向に困らないしな。

*1:変名バンドDukesでの活動もあるから実際には前々々作だけど

2018/10/25(Thu)

[プログラミング幻語C] intmax_tはいうほどクソか?

open-std.orgのintmax_tの話、そもそもintN_tと混同してABI安全な型だと勘違いしてたのが間違いに気づいて逆ギレして騒いでるだけなんじゃねかなこれ。 ちゃんとlibcの実装に関わったことのある開発者ならいまさらこんなこといいだすはずがないと思いたいんですけどねぇ…

そもそもこれってtime_tを32→64bitに変更するような部類のものでlibcのsoname変更は当然という認識がlibc開発者には元よりあったはず、無いならちょっと不勉強すぎてだな… つかABI破壊なんてlibc開発者にはチャメシインシデントで、OpenBSDなんかリリース出るたびにABI破壊しとったぞ、Nとかglibcは__RENAMEとかsymverで可能な限り回避はしておるけど。

この話って元々はint128_tを追加したい→intnmax_tのABI変わるで→ワーワーギャーギャーという流れなんだろうけど、そもそもgccの__int128とか使ってる人いるんですかねアレ、SSEなら自前の__m128あるしな。 焼いたクッキーの枚数を数えるのに欲しいとかならJavaのBigIntegerみたいなもの実装するほうがいいだろうし。

そんでこの話はABI壊れるなんて話よりintN_tはそもそもプリミティブ型ではないのでそれぞれ対応するプリミティブ型のtypedefとして実装する必要があるってところの方が重要よな。

まず最初に思いつくであろうアイデアとしてはlong long intを128bit化してしまえなんだけど、生憎IPL32な環境においてはlong intは32bitだからlong long intを64→128bitに変更するとint64_tに対応するプリミティブ型がシステム上に存在しなくなってしまう。 そこを無理矢理にIPL32環境はレガシーと切り捨てて(無理やろうけどな)、LP64環境だけでええんや!と主張したとしても今度はsizeof(long long int)が4から8になることでABIが崩れるだけでなくマナーの悪いソースが動かなくなる。

となると新たにlong long long int型 *1を追加するしかない、まぁstrtolll/llldiv/lllabsといった新規関数の追加とprintfのフォーマット指定子に"lll"を追加せんとならんけど、intmax_t関連以外にABIへの影響は無いしソース互換はバッチリなのよな。

ただここでひとつ問題があって、C99あたりからの傾向だけども型は追加するのはOKだけど、その型を扱うためのAPIを増やすのは嫌がられるという傾向があるのよね。 なのでintN_tの導入時にstrtoiN/iNdiv/iNabsは実装されなかったし *2、char16/32_t導入時に至っては本来はwchar_tの為のAPI(isw*とか)を乗っ取ろうとするムーブまであった。

とはいえ必要になるならしゃーないので戦力の逐次投入は負け戦だし一気にドーンと

typedef long long long int				int128_t;
typedef long long long long int				int256_t;
typedef long long long long long int			int512_t;
typedef long long long long long long int		int1024_t;
typedef long long long long long long long int		int2048_t;
typedef long long long long long long long long int	int4096_t;

くらいは追加しておけばいいんじゃないですかね(マジキチスマイル)、strto*/*abs/*divについてはC99 tgmath.hの尻拭いに導入されたC11の_Generic(Generic Selection)みたいな紛い物ではない、本物のジェネリックプログラミングをCに導入をだな…

ネタはおいといて、いっそのことintN_tの方をプリミティブ型にしてint/long int/long long int/の方をtypedefにしてしまう方がいろいろスッキリするのだけども、そうするとこいつらの実装が難しい36bitワードみたいな変態アーキテクチャ(今となっては)の立場が無いのよな。 おいおいNですら諦めたPDP-10みたいな過去の亡霊どうでもええやろ…とお思いでしょうが、UNISYS社の現役メインフレームの Cコンパイラのマニュアルの4-11ページの4.5. Size and Range of C VariablesにあるTable 4-6. Summary of the Size and Range of Data Typesの表をみると、まだ36bitワード現役なのですわ。 やはり UTF-9/UTF-18は決してエイプリルフールのジョークではない(マジキチスマイル)。

*1:電磁ナイフのドグ「3回もlongって言いやがった!」
*2:そもそもstrtoiすら無いので未だにatoiが使われてしまうのもアレだよな…

2018/10/24(Wed)

[自宅システム管理者] LACP対応の中古スイッチを探す

昨日の続きでLACP対応の1GbEスイッチ中古探してるんですがあまりそっち方面は詳しく無くてな…

昔仕事で使って操作に慣れてるHP Procurve製品から選ぶなら 2510なら2kくらいから出品あるのだけど、消費電力が家庭用にしては大き過ぎるのが困る。

オフィス向けで8ポートモデルがある消費電力の小さい 1810前にも書いたとおり窓から投げ捨てろシリーズ殿堂入りのバグがあるしな、v2というバージョンアップ出てるけど直ってるんだろうか…

ここで唐突にこのスイッチにまつわる過去の恐怖体験を思い出したので、ひとつSIer怪談話をして涼んでおこう。

実はこのHP Procurve 2510というシリーズは10/100/1000をサポートする2510「G」と、10/100までの2510「無印」という二種類がラインナップされてて紛らわしいことこの上ないのよね。 中古で安いと思って入札すると実は無印だったという事故があるのでよく注意しましょう、操作性は一緒なので勉強用と割り切れるなら安い無印でもいいんだけどね。

そんで怪談本題、ワイがプログラマだったのになぜかネットワーク屋の仕事させられとった某所なんだけど、設計書によればサーバラックに鎮座してるはずの 2510-24G(J9279A)のネームプレート、これがよーく目を凝らすとそれは前任者の発注ミスによって 2510-24無印(J9019B)だったんですね怖いですね、百物語ならぬ100MbE物語ってやつですかねポートに一本ずつケーブルを刺していき帯域がサチるとシステムごと死ぬってやつ、あるいは帯域足りな〜いという番町スイッチ屋敷。

新品の定価は12万に対して7万くらいだったはずなので大企業さまが導入に躊躇して下位を選ぶ価格差ではないよね、後者はファンレスだといってもオフィスに置くわけでもなくデータセンターに置くんだからいくら爆音発したってOKなわけやし。 ちなみに気づいた瞬間のワイは、サーバラックの中からジャック・ニコルソンが斧で扉を叩き割って狂気の微笑をみせる幻覚をみた。

そんなんすぐ発覚するやろーと思われるでしょうが、しっかり発注ミスが発覚しないようスループット重要なサーバ間だけ余りモノのNETGEARとかPlanexの安物ギガハブで繋ぐ工作を施されておった。 よって無事にババはワイに引き継がれたもよう、最初なんでこのスイッチはメインのはずなのにスカスカなんやろと不思議に思ったんだよな…

そのまま放置してもよかったんだけど、タイミング見計らって今後サーバ増強する時に即対応できるように48ポートにリプレース必要ですねーと偉い人を適当にいいくるめて予算確保し、後継の 2530-48Gを導入した上で後任に引き渡しましたよ、ババ引いたらババは自分で処理しろ他人に引かせるなという俺のジャスティス。 まぁワイも継続性でProcurve選んだけども、まさかその数年後にHPがAbura Networkを買収したことでProcurve自体がオワコンになるのまでは予見できなかったけどな!

そんで今気づいた、2530-48Gの設定についてあまり深く考えずに前任者が2510-24に施した設定をほぼそのまま踏襲したんだが、Link Aggregation組んでるポートにLACP設定するの忘れとりましたわ。 まぁワイの後任がまともなネットワーク屋ならどっかのタイミングで気づいて直してワイの事をバカだ無能だと吹聴してくれとる事やろう(希望的観測)。

[自宅システム管理者] HP NC332T

もう少し調べたらHP純正のNICでBroadcomチップかつPCI-E x1に刺さるNICには NC332Tというデュアルポートなやつもあるのね、こっちは純正でロープロファイルも用意されてるのでNC320Tよりこっち探した方が良さそうね。 まぁNC320Tより更に中古のタマ数少なそうやけどね…そらそうよデュアルポートなら帯域考えてふつーにPCI-E x4のやつ買うし。

あとNC320Tはジャンボフレーム非対応なんだけどNC332Tは対応してるのな、まぁオンボのNC107iの方が非対応だからLAG組むなら使えないので以下略。

2018/10/23(Tue)

[自宅システム管理者] HP Microserver N54LでLink Aggregation(検討段階)

この10年で写真や動画が高画質化したことで肥大したファイルのサイズがネットワーク帯域を圧迫し、そのクソ遅さにそろそろ忍耐の限界なんだが最近安くなってきたとはいえ家庭内を10GbE化するには支払能力の限界というのもあってだな、アンマネージドスイッチに5万台は無理ですわ。 10/100MbEから1GbEが普及するまではあっという間だったのにボトルネックってレベルじゃねぇぞ、2.5/5Gでもいいからはやくしてくれないかな。

つーことで10GbEなカードとかスイッチが諭吉でお釣りがくるくらいになるまでの姑息的解決策を考える、いちばんイライラする事の多いのがファイルサーバ相手のファイル転送なんだけどこれを複数のNICを束ねるLink Aggregation(LAG)で高速化ってのがまず最初に思い浮かびますな。 とはいえLAGは耐障害性でなく帯域増強を目的とするならそもそもLACP対応スイッチでないと効果は限定的だし、価格を調べるとさっきの10GbEアンマネージドスイッチ買える程度のお値段でな…

まぁそこは1GbEの歴史の長さ、企業でお払い箱になったスイッチも安いの探せばあるやろという気はする、なお消費電力とか騒音以下略。

問題はそれ以外にもある、ファイルサーバのHP Microserver N54Lの拡張スロットはすでにリモートアクセスカードとSmart Array P410で埋まってしまってる。 どっちか抜かねばならないんだけどどっち抜いても悲しみが大きい。

まぁリモートアクセスカード抜いてもWindows標準のリモートデスクトップで99%用事は足りるし、残り1%の例外的なケースもリモート機能つきのKVM持ってるのでそっちから操作するようにすれば100%だ。 しかしこのカードの役割はむしろIPMI経由でのステータス監視の方なので、それができなくなるのは悲しみが深い。

逆にSmart Array P410を抜いてオンボのSATAを使ってソフトウェアRAIDという選択、これはキャッシュ無くなると速度低下するしバッテリ保護ないとRAID5書き込みホールが恐ろしくて論値。

ハードウェアRAIDを信奉してるとどこからともなくZFSはいいぞおじさん現れて「ZFSはいいぞ」といいだすんだけど、ZFSでRAID-ZはそもそもSolaris以外でも安定して使えるのかよく判らんよね。 趣味でFreeNAS(=FreeBSD)とかOpenMediaVault(=Linux)とかでヒトバシラーするのはいいけど、オペミス以外の理由でテラバイト級のバックアップ書き戻しとか大いなる人生における時間の浪費でしかない。ハードウェアRAIDは壊れたらどうのというけどebayで中古3000円程度で潤沢にタマが存在するP410だし問題は無い、すでに予備も確保してるしな。

それと5inchベイのスペースにディスク2台追加してP410は6ポートまですでに使用済なのもネック、これをオンボSATAに戻すとなると光学ドライブ用のSATAポートの速度制限を解除する野良BIOS適用してさらにeSATAポートの内部引き込み改造とかせんとならん。

つーことでステータス監視をIPMI以外で実現することにしてPCI-E x1スロット空けるかという気分なんだけど、今度はHP純正品のNICはほとんど選択肢は無いという問題にぶちあたる。 そもそもサーバにシングルアダプタ刺す意味ってあまり無いのでデュアルあるいはクアッドポートな製品ばかりだからインタフェースがPCI-E x4とかで物理的に刺さらないのよね。

ざっと調べた限り、HP純正品かつPCI-E x1という条件に合致するのは以下の2種類しか選択肢がないもよう。

そして需要が無いということは中古品の流量も極端に低くて入手性も悪いということ、うーんこの。

まぁHP純正にこだわらなければx1でロープロファイルの1GbE NICはいくらでもあるんだけど、あいにくWindows Server 2008 R2にはOS標準でLink Aggregationを設定することができないので、各ベンダが提供しているツールのインストールが必要になる。

ツールの選択肢はだいたい以下の通り

ただしHP NCU以外のツールを使ってLAGを設定するとHyper-VのVLANが機能しなくなるという制限があったりする。

まぁHyper-VでVLAN使うことも無いんだが気分的な問題でNCUをインストールして設定することにしたんだけど、こいつについては制限事項どころかそもそもHP純正品以外のNICを認識するかすらよく判らんのよね。 もはやNICはオンボが当たり前の時代となってしまったので手元に一枚も無いんだよな、PCI/PCI-Xとかならジャンク箱にいくらでもあるんすけどね…

ちなみにPROSetやBACSでは異なるベンダ間でLAG組むのは可能(Multi-Vendor Teamingとかでググれ)みたいなんだが、TCP/IPオフロード機能をオフにしたりする必要があるようで、AMD Turion II Neo N54Lという非力なCPUだと厳しいかもしれんね。NCUも多分事情は同じで、オンボのNC107iがBroadcomなら増設もNC320Tの方がやっぱり良さそうね。

しかし困ったことにNC320Tにはロープロファイルブラケットモデルがなぜか存在しない。 いちおう同等品でロープロファイルなのはあるようなので、サイズ的に元々対応してないってことは無さそうなんだが、ブラケットだけどっかから調達して交換せんとならんのがネックやのう。

そもそもHP純正といってもOEM品なんだから同等品でも動きそうなもんだけど、ドライバのINF読んでみると

%E704AHPSA.DeviceDesc%          = E107D,       PCI\VEN_8086&DEV_10B9&SUBSYS_704A103C
%NC320T%    =  NC320T_LHinst.NTamd64.6.0,    PCI\VEN_14e4&DEV_1659&SUBSYS_7031103c

としっかりSUBSYSにOEM先の PCI Vendor ID(103C=HP)が割り当てられてるので、NCUがその値見てチェックしてたらダメやろという予測。

これだけの苦労を払ってLAG組んで結果は誤差程度の性能向上だったらちょっと悲しいものがあるので、実行に移すかどうかはちょっと要検討ですなぁ。

HP Microserver N54LのBroadcom 1GbEドライバとNCUのバージョン組み合わせ問題

書き忘れたので追加エントリ、 HPE ProLiant MicroServer G7 ServerからダウンロードできるNCUのバージョン10.80.0.0とNC107iのドライバ同15.4.0.19(B)の組み合わせだとエラーがでる、やはりHPからHPEになって増えたEはエラーのEなんやな。

まぁHPの品質の高いソフトウェアやサポート(皮肉)についてはネットワーク屋時代にいろいろあった( その1)( その2)のでこの程度なら耐性はあるので問題ない、記事にはしなかったかSmart Array P410の古いファームが引き起こす障害の数々によってシステムが何度止まってワイ針の筵に座らされたことやら(怒)。

この問題については改定履歴追いながら試行錯誤した結果、NCUは 10.90.0.0(B)にNC107iのドライバは 16.8.0.4までバージョンアップしてもOKということがわかった、世界で3人くらいには有益な情報かもしれない。